国土計画2300

−首都移転問題と新しい国土を創るという視点−
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                 目次
  1. "新しい国土を創る"という視点から
  2. もう一つのパラダイム
  3. パラダイムシフト −量から質へ−
  4. バラバラな行政の統合
  5. 諸問題を統合する方策
  6. 日本に首都は有るか
  7. なぜ「新首都」が考えなければならないか
  8. 新しい”首都東京”を創る
  9. 新首都東京計画における重点政策
  10. 中央と地方:地方都市東京の整備
  11. 定住都市を創る
  12. 如何にして整合され、統合された政策をつくるか
  13. 第二、第三首都構想 地方分権のプロジェクトとして
  14. 道州地方分権/州都計画



 

1."新しい国土を創る"という視点から

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20世紀は、大量生産と大量消費が弱肉強食の経済社会を生み、 核装備による軍拡が諸国間の均衡を辛うじて支え、 そして資本主義と社会主義の対立が冷戦の下の国際バランスを生むというパラダイムが地球を覆いました。 このようなパラダイムは、社会主義大国が消滅しバブル経済が崩壊すると共に消え、それに代わる新たなパラダイムが求められているのが世紀末に向う昨今の状況です。
政治、行政、経済、市民社会それぞれの分野における末期的症状、そして行政改革、地方分権、金融改革、教育改革等の主要な構造問題は全て、パラダイム転換期における生みの苦しみです。新しい社会を"創る"ためのステップとして必要な苦しみです。
20世紀は一言で云えば「量」の時代でした。大きいものが世界を制覇する、量が世界を支配する時代でした。組織も大きい方がよしとされました。政府も肥大化しました。大企業が経済界を支配しました。大組織が常に有利な立場に立ち、主要な仕事をこなしました。そのような世界が行きづまったのです。

これに対して、21世紀は「質」の時代を迎えることになりましょう。少量多品種の経済、小さい故に効率のよい政府、秀れた技術に支えられた生産、大都市よりも小都市、進歩よりも定住、・・・そのような目標へ向かってパラダイム転換が行われます。
"つくる"ということに関しても(生産)、規格品を大量につくり、大量消費社会を推進することから、「質」を極めた良品(それは製品の末路、廃棄までを考慮した)をつくり、それを永く、大切に使用することを当然とする社会に移っていきます。
"ものづくり"のみでなく、"都市をつくり"、"国をつくる"ことに関しても、新たなパラダイムの下では、これと同様なコンセプトによってつくられねばなりません。 このような"新しいもの創り"の考え(視点)は、これまでの社会には欠けていたものでした。パラダイムが異なるのですから、それは当然のことですが、新たなパラダイムの社会では当然"ものづくり"の方法が変わっていかなければなりません。政治、行政、経済の視点を"新たなもの創り"の視点に変えていかなければなりません。
日本が直面している極めて深刻な不況を乗り越えるために多くの施策が叫ばれています。財政構造改革、次いでその方針の変更、ビックバン等の金融対策、経済活性のための公共投資等々の手段がとられるなかで、それらを統合する「総合政策」の欠如を指摘する論調がみられるようになりました。即ち、個々の対症療法的政策ではなく、ト−タルに全体をとらえながら、関連づけられた政策を実行していく必要があるということが認識され云われはじめているわけです。財政構造改革の目標達成を多少遅らせることになるが、その目標は堅持しながら、当座の景気回復のために公共投資を行おう・・・ということになりましょう。

ところで、「何のための景気回復か」という目標が明確にとらえられていなければならないことは云うまでもないことですが、現在の政治レベルでは「何のために」ということが、経済のため、金融救済のため、行革のため、青少年教育のため・・・等々直近の問題に目が注がれ、その先に在るべき本質的な目標に視線が届かず、見失われている状況です。
「何のためか・・・」「何のための政治か」という最終の目標は、国民が安心して住める、文化の高い、美しい国土(定住環境)をつくること、それが究極の目標ではないでしょうか。
国づくりの視点を変えることです。そのためには"新たな都市創り"を基本にして、その目標に向かって、全ての施策を集中させていくことが必要です。都市政策は勿論のこと、住宅、産業、流通購買、医療、福祉、教育、文化、娯楽等、私達の生活に関わる諸政策、税制(相続税、固定資産税等)、土地所有、市街地調整関係、自然保護、排棄物処理等、国民の生活に関わる全ての問題が個々に解決を模索されるのではなく、統合的に関係し合った解決、即ち"新たな都市環境創り"を目指した統合的な解決が計られなければなりません。

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