4.バラバラな行政の統合

table of contents  previous page next page

1.個々の問題
    行政改革、地方分権、財政再建、経済活性、土地流動化、持家財策、
    定期借家法、大店立地法改制、建築容積率緩和 等々

2.問題点の相互関係
     
 行政改革 :
中央をスリムにし、少数精鋭の英知によって秀れた計画を効率よく実施する
そのような実が行革であがっているでしょうか。
 地方分権 :
地方に裁量が委ねられつつあるが、受け入れ側に体制の整備が進んでいるでしょうか。
 財政再建 :
景気回復のために財政再建は一時棚上げにする(又は廃止すると反対派は主張)ということが云われています。
 経済活性 :
当初は財政再建を優先目標として、経済活性化のための公共投資は控えるという政府方針でしたが、その基本方針を変え、公共投資に踏切るという姿勢を政府は見せています。 アメリカからの圧力があったとは云え、中央政府の方針変更は好ましいものではありません。6兆円ともいわれる公共投資がどの分野に投入されるかも問題です。 近視的に,目先の効果のみによって投資されるならば、それはドブに捨てたように将来の再生産に結びつきません。 そのためにも、100年以上にわたる長期目標が必要です。そのような目標に向かって進みながら、財政や経済状況に応じて投資の額を決めてゆくならば、緊縮政策と拡張政策を共存させることが可能です。 財政事情にあった投資政策を実行することによって徐々にではありますが、"新しい生活環境としての都市を創造"することへ近づいていくのですから。短期的な政府の方針変更として指弾されることはなくなります。 まして臨時公共投資が適正な目的に対して使われるのではなく、在来の省庁配分の枠に従って使われるならばそれは本来の目的である経済活性とはほど遠い景気対策となりましょう。
 土地流動化:
経済活性化のために土地の流動化、即ち、土地が取引されることを期待する向きが経済界にあります。 土地の流動化はバブル時の状況を再び引き起こすことにつながります。 購入された土地に新たに建設を行うのは土木系の思考で、再び地価の上昇を招きます。 また、親子代々高齢者も若年層も落ち着いて平穏に暮らすという"豊かさの実感"のある都市生活を創りだすことと矛盾します。 土地が流動しては、そこに住み着くことは不可能なわけですから。 このような明らかな矛盾が政策されているのです。 土地を経済価値によって評価するのではなく、その利用価値によって評価すること。 そして土地を有効に"国創り"計画に従って使うために公有化をすすめること、それらは土地政策として最も重要なことです。
また、都市(土地+建物)の債券化は考慮すべき好ましい方法であるとも考えられます。
 持家政策 :
最近の住宅政策は公共による建設を後退させ、住宅建設を民間に頼る方向に移りつつあります。とくに、政府(地方政府も含めて)が持家政策に走るのは公共の役割である住宅政策を放棄し、それを民間に押しつけるものです。持家はゆとりある敷地を持つことを可能とする郊外を対象にしたものであり、地価の高いそして建築密度の高くあるべき(容積率の高い)都市中心域では、公共による共同賃貸住宅によるべきです。民間による(住宅公団も含めて)マンション建設が如何に公共空間を欠く劣悪な住空間のアパ−トを建ててきたか、それを見れば一目瞭然です。これに比較して公営賃貸住宅は、集会所、公園、スペ−スのゆとり等を備えた質のよいものが創られています。
 定期借家法:
土地を長期にわたってリ−スするもので、一歩、公共公営賃貸住宅の考えに近づいたものです。このような法案が立法されるということは都市住宅が、公共公営賃貸住宅に近づきつつある歩みの一つであるとみています。
 大店立地法:
大店立地法で規制緩和をすることと同時に、疲弊しつつある都心商店街の再生が対策されなければなりません。
 容積率緩和:
経済活性のためには土地の流動化と共に容積率の緩和が云われます。単なる緩和ではバブル時のオ−バ−サプライの二の舞なります。又、容積を上げてしまってはゆとりのある都市空間は創られません。容積率を下げるべき地域(大多数の都市領域)と上げるべき地域(人口の過疎となった都心区)とを明確に分けて建築容積を考えるべきです。
しかも、都心区では現行容積を越える割増し部分は賃貸住宅のみに使用することとし、しかも、その部分には地価をかぶせない賃料を設定するという規制を設けねばなりません。そのようにしてはじめて都心の人口を回復することができましょう。

このように諸々の問題の相互関係を"新しい都市環境を創る"切り口によって解決していかなければならないわけです。

return to section page top next page