6.日本に首都はあるか

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パリはフランスの首都であることは誰しもが疑うことなく、その姿を脳裡に浮かべることができます。それは、旅行者が買うパリ地図に示された領域(23区)であり、大パリ市の領域とは異なります。(それはJR山の手線の内側の面積に等しい)
ドイツの首都ベルリンも同じように首都の領域を明瞭に示すことができます。
日本の首都東京はそれら先進諸国の様相と異なります。首都機能、即ち、国会、最高裁判所、首相官邸という三権が都心に存在するので、日本の首都が東京にあることは間違いないのですが、その領域が明瞭でないのが現状です。日本には首都機能が東京に存在しているけれども、首都の領域が明瞭に決まっていない・・・そのことに首都(機能)移転問題の議論がかみ合わない原因があります。
首都移転論が論拠としていることの一つに、東京の過密の問題がありますが、首都機能が存在する都心は過疎地域(都心3区〜5区)であり、過密の問題をかかえるのはJR山手線より外側の地域なのです。首都移転の要因にはなりません。この一例によってもボタンのかけ違いのような議論がなされていることが分かります。
私は東京都の「首都機能問題審議会」の委員(1998)として、先づ「首都東京はどの領域を指すのか」質問をしました。「さあ・・・どこですか」という答えが都の担当者から返ってきました。そのような曖昧な認識で、政府でも、都でも議論されているのです。

首都移転問題を混乱させないために、東京都の領域の中で、首都領域(山手線内側の地区)と首都以外の自治体としての都市領域(山手線を含み、その外側の地区)とを明らかに区別し、捉えていなければなりません.

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