東京湾からの発信-東京DCと国土再生

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レジュメ・目次
  1. 東京湾は諸問題の掃き溜めである
    • それら諸問題を統合的に解決する組織が存在しない。
    • 海面ゴミ埋立、WFの自然破壊、過密な船舶航行、臨海工場跡地の乱 開発、WFの統合的開発欠如、
      第三空港建設etc
  2. それら諸問題を統合するために-海上都市(バーチャルシティー)領域を制定する。
    • 東京湾WF沖合2Kに2kmの巾で木更津から横須賀まで80kmの線状の領域を新たな自治領域として
      制定する。
    • 東京湾の諸問題を統合的に解決するためには最良の方策である。
    • 第三空港、ハブ港、都市廃棄物による埋立島(白地)等々
  3. 第三空港の位置を定める
    • 羽田空港が国際化されても首都空港の需要を充たすことには不十分である。
    • 第三空港の建設が近い将来必須のことになろう。それは、扇島沖しか考えられない。
    • 羽田(国内空港)成田(第二国際空港)扇島(第三国際空港)
  4. ハブ港の位置を決める
    • 東京湾の海運物流のために高度に機能化され、集約化された国際ハブ港を建設する。 その位置は木更津沖である。
  5. 埋立島(白地)
    • 都市型住宅の建設を行う。都市再生のために必要。国際機関設置のための場ともなろう。
  6. ヤジロベエ都市の誕生
    • 東京湾海上に腕を拡げた海上都市に頭(都心5区)をつける。ヤジロベエ都市の誕生である。
  7. 首都機能の分化を市町村合併の延長線上に位置付ける
    • 東京都の中心5区(千代田、中央、港、文京、江東の旧江戸領域)を東京都より分化、 それをリアルシティとして前述のバーチャルシティ(海上都市)と結びつけ、新たな自治領域を制定する。 「東京DC」の誕生である。この時点で「首都機能移転」を凍結、棚上げする。
    • コストをかけず制度の制定のみで日本の首都が現出する。
    • バーチャルシティを如何にコントロールし、統合計画をここに実現してゆくかによって首都の質、 首都の魅力が決まってくる。バーチャルシティ(白地)には第二の制度を施行する。
  8. 東京都と東京DC
    • 東京湾からの発信のために東京DCをつくる。
  9. 東京DC・海上都市の効果
    • それは、第二制度の導入を可能にすることである。
  10. 町村合併をIT手法でおこなう
    • 地方分権が発足し、町村合併が行われようとしている。全国の町村数を1/2とし、 中央と町村の直結が考えられている(政令都市化)。 しかし、中央と末端のみでは全国を統治することは不可能である。
    • 中間的な統治体(組織)が必要になる。県単位では小さい。広域統治のために道州制制定が必要である。 (デジタルネットワークによる)町村合併とバーチャルシティ海上都市領域制定とを関連させる。
  11. 首都圏の構成は道州制移行の試金石となる
    • 「東京DC」を核として首都圏を形成する。東京サミットの構成員に新潟県を加える。 新たな首都圏、関東州である。
  12. 首都のバックアップとして、第二、第三首都を制定する
    • 大阪湾(関西圏)伊勢湾(中京圏)に同様の計画を制定し、首都のバックアップとする。
  13. 地方分権と道州制移行は同時進行の政策である。
    • 水域都市を核として広域圏を編成する手法を全国に拡大し(デジタルネットワークによるIT化)、 全国を8つ(内至9つ)の道州によって統治する。
  14. アジアの日本:グローバル世界を越えて
  15. 統合計画を進めるための組織の問題
    • 計画(プランニング)のための組織を存在させる。
  16. グランドプランの策定
  17. アーキテクチャー思考
    • グランドプランを策定するにはシステムマスタープランによらなければならない。
      基本になるのはアーキテクチャー思考
  18. 水域都市
  19. まとめ
  20. 東京DCの役割−方策−

1) 東京湾は諸問題の掃き溜めである


それら諸問題を統合的に解決する組織が存在しない。 海面ゴミ埋立、WFの自然破壊、過密な船舶航行、臨海工場跡地の乱開発、 WFの統合的開発欠如、第三空港建設 etc。

<図-1:諸問題>
1-1.羽田空港滑走路の増設問題 1-6.船舶航行の問題
1-2.滑走路増設に伴う、船舶の運航に対する影響 1-7.ウォーターフロント開発
1-3.ごみ処理所の問題 1-8.臨海工場の跡地問題
1-4.湾岸の自然侵食 1-9.湾岸プロジェクト-自治体間の調整ができていない。
1-5.湾岸の自然破壊 1-10.東京湾は諸問題のごみ捨て場になっている。

2) それら諸問題を統合するために
  ・・・バーチャルシティ海上都市領域を制定する


東京湾WF沖合2Kに2kmの巾で木更津から横須賀まで80kmの線状の領域を新たな自治領域として制定する。
東京湾の諸問題を統合的に解決するためには最良の方策である。
第三空港、ハブ港、都市廃棄物による埋立島(白地)等々

東京都

千葉県

<諸問題>

神奈川県

<図-2:海上都市>


海上都市(バーチャルシティー)を制定し、その中へ東京湾にかかわる諸問題の解決の糸口をみつけていく。
直近プロジェクトとして、
    X: 国際第三空港
    Y: 流通ハブ港
    Z: 埋立島における国際機関の誘致


3) 第三空港の位置を定める(X)


羽田空港が国際化されても首都空港の需要を満たすことは不十分である。
第三空港の建設が近い将来必須のこととなろう。
それは扇島沖しか考えられない。
羽田(国内空港)成田(第二国際空港)扇島(第三国際空港)

<図-3:第三空港配置>

4) ハブ港の位置を決める(Y)


東京湾の海運物流のために高度に機能化され、集約化された国際ハブ港を建設する。
その位置は木更津沖である。


5) 埋立地(白地)(Z他)


都市型住宅の建設を行う。都市再生のために必要。
国際機関設置のための場ともなろう。


6) ヤジロベエ都市の誕生


都市5区(千代田、中央、港、文京、台東)を合併し、海上都市(図-2)と結び
48番目の自治体に制定する。

ヤジロベエ都市の誕生である。

<図-4:東京DC 2300>
<OS-10 日本の首都を創る:彰国社より>

7) 首都機能の分化を町村合併の延長線上に位置付ける


東京には既に整備されつつある首都機能がある。それらは歴史的な蓄積のある美しい都市環境の中にあり、 世界遺産に指定されてもよい環境を形成している。(千代田・中央・港・文京・台東の5区)それをリアルシティ として前述のバーチャルシティ(海上都市)と結びつけ、新たな自治領域を制定する。
「東京DC」の誕生である。
この時点で「首都機能移転」を凍結、棚上げする。「東京DC」を誕生させることは コストをかけず制度の制定のみで日本の首都を出現させることである

<図-5:東京DC 2001>
<OS-10 日本の首都を創る:彰国社より>

バーチャルシティを如何にコントロールし、統合計画をここに実現してゆくかによって首都の質、首都の魅力が 決まってくる。
バーチャルシティ(白地)には第二の制度を施行する。
山の手線沿線の副都心群は業務中心地区として東京都の中心になる。
東京都は自治体としての本来の姿を取り戻す。


8) 東京都と東京DC


東京都作成の〈東京構想2000〉では東京湾における諸問題を解決するための都市政策は東京湾内 に投入されていない。
東京湾に皺寄せされている諸問題を統合的に解決するためには東京湾内の海上に新たな バーチャル海上シティ都市領域(東京湾オーソリティ)を制定して諸プロジェクトのコントロール、 コーディネートが計られなければならない。

<図-6-1:新首都東京2300計画> <図-6-2:東京構想2000>
<首都東京を創る>-2001- 東京構想2000<東京白書>
赤線は海岸線

東京湾上に展開する新首都〈東京DC〉の配置である。
赤いラインが現在の湾岸線であり、〈東京DC〉はその内側、即ち東京湾の中に位置している。
ここに自治体(オーソリティ)を制定することによって、東京湾に皺寄せされている諸問題を 統合的に解決することができる。

東京都の計画では東京湾岸線(赤線)より内側、即ち東京湾は統治政策の及ばない白紙に残されている。
赤線より内側(湾内)に計画が及ばないことは、東京都という自治体による計画の限界を示している


9) 東京DC・海上都市(バーチャルシティーの効果):第二制度の導入


東京DCのなかのバーチャルシティ海上都市領域、その中につくられる埋立島を白地として把える。
白地に新たに都市を建設する。
建設に際しては現行制度によらず第二制度を制定して都市をつくる。
第二制度による都市(土地、建築、都市、税制、介護、医療、福祉、都市住宅、教育等々)がつくられる。
埋立島における実験を内陸部に少しずつ次第に波及させてゆく。

プロジェクト誘導型の都市政策によって第二制度を導入する
<図-7:第二制度の導入>


白地をつくることは、新しい概念による新しい都市を実現させるために必須の条件になる。 第二制度を施行するには白地において実行することが最も効果がある。 内陸部にかかる白地を求めることは殆ど不可能である。また、政策誘導型の都市政策では抜本的な都市再生計画はできない。


10) 町村合併をIT手法で行う


地方分権が発足し、町村合併が行われようとしている。
全国の町村数を1/2とし、中央と町村の直結が考えられている(政令都市化)
しかし、中央と末端のみでは全国を統治することは不可能である。
中間的な統治体(組織)が必要になる。県単位では小さい。道州制制定が必要である。
道州制をデジタルネットワークによって組織する。
町村合併とバーチャルシティ海上都市領域制定とを関連させる





| |
中央政府
州政府
市町村
大都市化 地方自治体
| 町村合併は道州制のステップとして行う |
| <図-8:町村合併> |
※ アナログ領域: FACE to face、コミュニティーが形成される領域。
※ デジタルネットワーク領域: 顔の見えない連繋で組織化された領域。計画に情実が入らない統合性を持たせるには、 アナログ領域の上にデジタル領域をかぶせる必要がある。IT化によって可能となる。


11) 首都圏の構成は道州制移行の試金石となる


東京DCを核として首都圏を形成する。
東京サミットの構成員に新潟県を加える。新たな首都圏、関東州である。

<図-9:東京DCを中心とする新首都圏>
−20、50、100km圏−

12) 首都のバックアップとして第二、第三首都を制定する


大阪湾(関西圏)伊勢湾(中京圏)に東京DCと同様の水域都市を制定し、 首都のバックアップとする。これらは全て、海上都市(水都)である

<第二首都関西> <第三首都中京> <首都「東京DC」>
<図-10:首都の危機管理>
−第二、第三首都−

首都移転によっては首都の危機管理はできない。
危機管理とは第二、第三のバックアップ首都を整備することである。
これらの水都(水域都市)は州都であると同時に首都のバックアップ機能を併せもつ。
バーチャルシティ(海上都市)を腕のように拡げ、中央にリアル都市としての頭をもつ。
東京DCでは首都機能をもつ都心5区を頭としたが、州都である水都の頭は過疎の都市域に置く。


13) 地方分権と道州制移行は同時進行の政策である。


<水上都市を核として広域圏を編成する手法を全国に拡大し(デジタルネットワークによるIT化)、 全国を8つ(内至9つ)の道州によって統治する。北海道@はロシアに対峙し、沖縄Gはアジアに対峙する。


@―北海道
A―東北
B―関東
C―中京
D―関西
E―中・四国
F―九州
G―沖縄
H―青函
<図-11:道州制提案>

14) アジアの日本: グローバル世界を迎えて


<道州> <州都> <地方のグランドプロジェクト>
1 北海道: 網走 @ 網走: 北方領土とロシアに向かって
2 東北: 仙台 A 青函: 函館のグランドプラン
3 関東: 東京DC(水都) B 下北 下北半島都市計画
4 中京: 中京(水都) C 東海村 エネルギー都市
5 関西: 関西(水都) D 北陸 エネルギー年
6 中・四国: 瀬戸内(水都) E 沖縄 アジアに向かっての拠点
7 九州: 関門:(水都)
8 沖縄: 那覇
9 青函: 下北
<図-12:海に囲まれた日本の水域都市>

15) 統合計画を進めるための組織の問題


プロジェクトを統合あるものとするにはグランドプラン、システムマスタープランとリンクさせる必要がある。
そのためにはそれらの計画(プランニング)のための組織をつくる必要がある。
現在の行政組織で最も欠けている部分である。

<図-13:建設のダイアグラム−第三空港を事例として−>
<図-14:ものづくりのプロセス> <図-15:行革への応用−組織>

16) グランドプランの策定


グランドプランを策定するにはシステムマスタープランによらなければならない。
基本になるのはアーキテクチャー思考である。
それはものづくりの際に、最初に持たなければならない、哲学・コンセプトである。
都市をつくる、国土をつくる、美しい住みよい日本をつくる等々のために必要とされる基本的な姿勢である。
とくに政治(政治家)にあっては基本的姿勢としてアーキテクチャー思考を持たなければ、統合ある政治はできないであろう。

そのためには、現在の政策を主導している政策誘導型の政治に、プロジェクト誘導型の政策を導入することが重要であると考える。
プロジェクトを完成させるということは、それを取巻く周辺の諸問題を統合的に解決することがなければ完全なものをつくることはできない。
〈東京湾からの発信――東京DCをつくる〉は、このような政策プロジェクトである。東京湾から発信して、日本を道州制に再編してゆくこと(プロジェクト)によって〈日本の再生〉がより良い形に結実してゆくと考えるのである


17) アーキテクチャー思考


システムマスタープランには直近の問題としての具体的プロジェクト(10年)と近未来(100年)将来(300年)のグランドプラン が同時に表現されている。従って、システムマスタープランによってグランドプランがつくられるならば、グランドプランは長い寿命 を保つことができる。


〈アーキテクチャー思考について〉

森政権の支持率が史上最低のものとなり、後継問題がはかばかしくない様を見るにつけ、中曽根元総理が繰り返し述べておられる <首相公選>は誠に正論であることを痛感します。
この問題を、技術者の目からとらえてみたい。
首相公選とは、優れた見識を持ち、選ばれた人が、政治ビジョンを遂行するために首相の座に座ることです。 ビジョンによってグランドデザインが描かれるわけですが、その実現は、そのポリシィの継続によってはじめて可能になる。 そのために安定した座を維持することのできる公選制が必要になるということでしょう。
話は変わりますが、水野幸男氏(元NEC副社長)は「世の中にアーキテクチャー思考が乏しい」ことを慨嘆しています。 「ものづくりは先ずアーキテクチャーを考えることからはじまる」というわけです。コンピューターテクノロジーの根幹には アーキテクチャー(ものづくりの哲学)があり、これなくして優れたコンピューターシステムはつくれない―――ということを云います。 自動車をつくること然り、人をつくる教育然り、また、日常では美味しい料理をつくること然り、 ひいては国づくりも政治家にアーキテクチャー思考なくして、国民を心醉させる国をつくることはできないというのです。
この考えに私は賛同します。統合ある全体(例えば優れた建築)をつくるにはアーキテクチャーの思考を出発点としなければ ならぬことは、私の日常の仕事から強く認識しています。都市をつくる、また、国をつくるのも同じことであると 考えています。
寺島実郎氏(三井物産)は首都空港問題に触れ、現在の混乱した状況は「プロジェクトエンジニアリング」の不在が原因している と述べていました。これもまた、アーキテクチャー手法の不在を指摘していることです。具体的問題一つをとりあげても根幹に アーキテクチャー(システムエンジニア、システムマスタープラン、それに基づくグランドプラン)が存すべきことが 指摘されているわけです。
まして、国土のグランドデザインを描くには、アーキテクチャー思考が必要であり、そこを出発点としながら継続され、 そして実現してゆくことが国をつくることになります。公選によって、その資質のあるアーキテクチャー思考に秀けた首相が 選ばれることを期待するものです。

<出典: 「仰秀」第41号P23(2001年5月)>


18) 水域都市


"吾は海の子"
日本は海に囲まれている

グローバルの時代を迎えて国土再生を計るには水域に着目し、水域を効果的に活用した総合的な統合計画によって 国土再生計画を実行することである。

<図-16:海を広場とする都市群: 水域都市>

19) まとめ


第1:

羽田空港拡張、第三国際空港等東京湾対象の重要プロジェクトが実行されようとしている。 このような個々のプロジェクトを決定する前に東京湾をどのように統合的にコントロールしてゆくかが計画されなければならない。 そのために、東京湾を対象として海上都市領域(バーチャルシティ)を制度することは第一になすべき緊急の改革案件である。


第2:

東京都の都市領域は曖昧である。スプロールして都市域がはっきりしない。特別区は市であるのかどうか、 東京都との関係も明瞭でない。町村合併によって浦和、大宮、与野が合併しさいたま市が誕生したが、 東京都心のように連帯発展した都市域では、現在より更に明瞭な都市域が分権化(又は合併)されなければならない。
都心の特別区を町村合併の対象にすべきであり、都心5区(千代田・中央・港・文京・江東の旧江戸)を合併して東京市域を 制定すべきである。しかし、特別区行政域はそのままにして、5区をネット組織化する。


第3:

現実の都市である都心5区(旧江戸)を頭として、左右に拡げた腕としての海上都市(バーチャルシティ)を統合して 新たな都市―東京DC―を制定することは緊急の課題である。東京DCを制定し、高次の自治体として統合的な (垂直でなく水平組織化による)コントロールをすることによって、東京湾に集積し軋轢を呼んでいる諸問題、都心地区の諸問題、 ビックプロジェクト等を統合的に解決することができる


第4:

東京DCを制定することによって全国へ改革の発信をすることができる。 制度改革、第二制度の制定等に弾みがつく。アナログ的な町村合併とデジタル手法による広域行政を組み合わせることによって 国土を道州制(広域行政)に構造改革することができる。それは東京湾からの第一の発信となる。


第5:

町村合併は全国一律に自治体数の半減、政令都市化、30万都市への組み換えを行おうとするものであるが、如何なものか。
当然、合併して大きくなるものと、前述の如き東京都都心区のように分離分化されるものと、 相反する二つの方向を上手に組み合わせる必要がある。いたずらな合併は、市域の巨大な「いわき市」のように、 村、田園を呑み込み、巨大領域の都市を生むことになる。これは自然に囲まれ、歴史と伝統あり、落着いて住める、 そして家族が代々住み継ぐことのできる定住環境を破壊することにつながる。町村合併をこのようなアナログ的(いわき市的) 方策によらず、デジタル的なネットワーク方策で行うならば、良きものを破壊することなくより広域の(人口の多い) 行政域を組織することができる。ITをこのような現実社会のネットワークに利用すべきである。これまでITは産業 (バーチャルインダストリー)として膨張していったが、このような実業に利用することによってIT産業も定着してゆく。 総合的な利を追求すべきだろう。


第6:

かくして(デジタルネットワークを行政組織に組み込むことによって)道州制へ比較的容易に移行することができる。 県、市、町、村域は現状で存続させることを前提としながら行政域の組み換えを行う。 アナログレベルの現自治体と広域行政域化を狙うデジタルレベルによる道州制とは競合することなく重ね合わせることができる。 それぞれのレベル(行政目的)に応じた人員配置を行えばよい。それによって小さい政府、手厚い地方という行革と地方分権の 双方の実をあげることができると考える。


第7:

このような国土再編を行うにはそれを実行する組織改革が必要になる。 国土再生のためにはまずグランドプランが存在しなければならない。 グランドプラン不在は日本の政治の根本的欠陥なのである。グランドプランを立案する組織が存在しない。又その人が存在しない わけである。
グランドプランをつくり、実行に移すためのシステムマスタープランをつくる組織を更めてつくること。 それは何ものにも先駆けてなすべきことであると考えるのである。


20) 東京DCの役割


  1. 既存自治体との関係――ゆるやかな改革

     2005年を目標年度とする町村合併の中で、都心5区(又は都心23区、特別区)が現在議論の対象になっていない。 残された大きな問題(町村合併に関わる)である。
     <東京湾からの発信>では都心5区(千代田、中央、港、文京、台東)を合併し、東京湾に制定されるオーソリティ(特区) と結ぶ「東京DC」をつくることを提言している。<図20−1>
     この合併は、5区の自治領域はそのまま残しながらさらに高次の行政都市として東京DCを構成する。
    10「町村合併をIT手法で行う」項で考察したデジタルネットによるIT政府により、それは可能になる。<図20−2>
    町村合併の次のステップとしては道州制を導入することである。町村合併によってもたらされるベーシックなコミュニティ (自治体)と中央政府を結ぶものとして数県を束ねた面積規模をもつ行政機構の存在が国土を形成する上で必要条件になる。 即ち、道州制の導入である<図20−4>

    <図-20-1> <図-20-2>

     ヤジロベエ構造都市は48番目の自治体であるが、州都としてIT政府を形成する。特別区(新宿、渋谷等)千葉、川崎、 横浜等との関係はデジタルネットであり、アナログ関係を持たないところに特徴がある。

  2. 湾岸自治体との関係

    <東京DC>の湾内腕の部分は海域に線引きされたバーチャル領域である。
    この水域内の計画上必要とされる場所に、都市廃棄物、東京湾浚渫土等によって埋立島をつくる (X:第3空港、Y:ハブ空港、Z:国際機関・IT政府などのように)。

    横浜と向い合う部分には自由貿易島、幕張に向い合う部分には首都圏を対象とする市場(魚、肉)、千葉に向い合う部分には 新規制による定住都市(内陸の老朽化した団地の移転)等必要に応じた内容をもつ埋立島都市をつくる。 どのようなものが求められるかは、時代に応じて、州政府と向い合う湾岸各自治体の協議で決めればよい。 州政府がコントロールすることによって、重複する都市機能が無駄に建設されることを防ぐことができる。 大阪湾における関西空港と神戸空港という愚を避けることができるわけである。

     但し、必要なことは、湾岸自治体のウォーターフロントとバーチャル都市の間に横たわる2kmの水域は手をつけず、 そのままの状態を300年にわたって保ち続けることである。これは東京湾に自然を回復させるための重要な戦略である。

  3. <図-20-3>

    バーチャルシティ海上都市を制定し、その中へ東京湾に関わる諸問題の解決の糸口を見つけてゆく。
         直近プロジェクトとして
            X  国際第三空港
            Y  流通ハブ港
            Z  埋立島における国際機関の誘致

  4. ITネットワークによる道州制――IT政府

     10「町村合併をIT手法で行う」(図20−2、デジタルネットワークによる領域形成)の中で述べている手法を敷衍して道州制に もってゆく。

     現在進行中の町村合併の如きアナログ手法によって道州制を指向するならば現行の府県制度を廃止して新たに道州制を制定する という道を選ぶであろう。この廃藩置県の如き改革は明治革命のような体制変換期(革命)ならば可能であるが、現状では難しい。
    現行府県はそのまま存続させながら、その上にITネットをツールとする広域政府(州)の網をかぶせる。 広域IT政府が掌管するのは税徴収、交付税等の財政配分、医療、保険、治水、道路、山林等の広域行政である 都道府県がもつこれらの行政は州政府へ移管する。(担当者の移管も含めて)

    基本自治体(市町村によるコミュニティ)が定着してしっかり機能し、州政府のネット行政の網が確実に結ばれれば中間 の府県行政は次第に縮小されてゆくだろう。役割を終えれば消滅してもよい。 道州制を導入するにはこのようなソフトランディングが最良の方法である。

  5. <図-20-4>
  6. 州政府の在り方――東京DCについて

     <東京DC2300>によるヤジロベエ構造の都市は広域行政(道州制)の州都の役割をもつ。人口約63万の都市 (都心5区の総人口)である。州庁舎は埋立島Zに配置するのが好ましい。埋立島が建設されるまでは臨海副都心に仮住まいする。 州政府は関東州(新潟を含める)をネットするIT政府であり、前述の如き税徴収、交付税配分、保険、介護医療、道路、治水、山林、 農業、等広域行政を行う。従って、市民生活に密着した基本自治体(都心5区)の政体はそのまま存続させる。<図20−5>

  7. <図-20-5>
  8. 4.東京DCの中の「三権」の存在――日本政府

     ヤジロベエ構造の東京DCの中には現存する「三権」が含まれる。三権の都市景観の質は国際的に高いレベルのものであり、 変革を求める筋はない。

     <東京湾からの発信>(又は<新しい日本をつくる会>)がラインを引くコンセプトに従って景観補填をしてゆくのみで、 十分に国際的評価のえられる「三権の姿」が完成してゆく。「三権政府」は国防、外交、国家財政、食糧、国土保全及び 国土のグランドプランを掌管する。

     首都移転問題は自然消滅する。

  9. <図-20-6:三権の丘 中央政府>
  10. 「首都」の危機管理――第2首都、第3首都

     危機管理の最良の方法は、ダミーを準備することである。大阪湾、伊勢湾に東京湾におけると同じように「ヤジロベエ構造」 の都市を制定し、それらを第2、第3首都として危機に備える。

     第2、第3首都は、同時に近畿州、中京州の州都となる。大阪湾、伊勢湾に腕を伸ばすことによって海域のコントロールが可能になる。 例えば大阪湾にのびる州都に、関西空港、神戸空港二つの国際空港は過剰であることが明瞭になる。むしろ、関西空港と神戸とを 海中トンネルで直結することの方が効率的でメリットがあることが解る。

     ヤジロベエ構造都市の州都は大阪、名古屋等の既存大都市は避けて、過疎の都市に置く。地方における大都市集中を避けるためである。 <図20−7>

  11. <第二首都関西> <第三首都中京> <首都「東京DC」>
    <図-20-7>
    −第二、第三首都−
  12. 州政府の配置

    前述したように州政府はその地方(道州)の過疎地に配置する。

    北海道ならば集中の顕著な札幌ではなく、網走に置く。<図20−7>北海道に対するIT州政府を越えて、ロシア、 北方領土をのぞむ政府としての役割をもたせる。

    中国四国州(瀬戸内州)ならば瀬戸内海の島(例えば直島)に州都を定める。 国土再編に当っては、海をどのように国土計画に組込むかということが重要なテーマとなるので、海域に注目する。 しかし、海域を開発するようなものではなく、むしろ、保全を考える。

    沖縄ならば那覇都市群(合併が好ましいが、又群都市でもよい)と名護の中間に州政府を配し、海域に張り出して米空軍基地 (フロート構造)を抱く。州都はアジアに対する外交に対するから、アジアに対する警察的役割を担う米空軍基地を抱き込むことは 戦略的配置といえる。

  13. <図-20-8-1> <図-20-8-2>
      @ 北海道                       G 沖縄道
      H 青函州