システムマスタープラン

 把握した複雑多岐にわたる機能を解きほぐし、システムを与えて再構築することが病院設計の主要な作業だと私達は考えます。また、病院建築では短期・長期のフレキシビリティが最も重要です。
 これに対して私達はシステムマスタープランという統合手法を採用しています。これは「カタチ」でなく「システム」を提案するマスタープランです。各部門の変化に関わらず守るべき骨格や流れを、基本要素として提案します。システムマスタープランは大規模・複雑な病院に対し、建設に関わる数年間だけでなく、完成後の数十年、数百年にわたって有効な方法だと考えます。

<東京大学医学部附属病院>
<横浜労災病院>
 東大病院計画は病院機能を継続しながら建設を進め、年次計画が一巡すると全く新しい病院が完成しているという画期的なものです。全体を4期に分け、中央診療棟第I期は1988年、外来棟は1994年、入院棟は2001年にオープンし、現在中央診療棟第II期を設計中、さらに臨床研究棟計画へと発展します。

 横浜労災病院は高度医療の提供できる新しい労災病院として計画され、中央診療部門の充実と医療の高度化に対応しうるフレキシビリティがシステムマスタープランの基本となっています。トータルな物品・情報管理システムを含めた病院全体のファシリティマネジメントの追求を計画の特徴としています。